【G-motty(ジモッティ)Blog】 活動報告 2018年10月4日

こんにちは。

先日、2018年10月4日 木曜日に北九州市内で行われました「第25回 福岡県北東部地域及びその周辺地域で活用可能なGIS導入にかかる検討勉強会(広域勉強会)」の様子についてのご報告です。

当日は、「現場が使える災害対応支援GIS基盤」をテーマに多数の自治体の方々が参加され、GIS活用事例の紹介などやワークショップなどを交えて意見交換を行いました。

1.北九州地区電子自治体推進協議会(KRIPPについて)
  /北九州市情報政策課 矢野係長

KRIPPの対外的発信の場として行われている「G空間サミット(2018年度は12月20日 ミクニワールドスタジアム北九州で実施)」、「広域勉強会」、「地域GIO会議」、「庁内ワーキンググループ」などについて、北九州市情報政策課 矢野係長より、ご説明いただきました。

また、KRIPPに参加されることで、同じようにGIS導入で困っている自治体の悩みや解決方法を聞き参考に出来るメリットや、クラウドサーバの利用による経費削減、契約・入札などの事務手続きをKRIPPがまとめて行うことによる事務処理削減などについてご説明いただきました。

2.GISについて/ESRIジャパン株式会社 筒井氏

今回は、初めて「GIS(Geographic Information System:地理情報システム」という言葉を聴く方にも分かりやすいようにと、ESRIジャパン株式会社の筒井氏により、『GISと地図ソフトウェアの違い』など、分かりやすくご説明いただきました。

 

3.GIS活用事例の紹介/直方市総合政策部人事課情報管理係 加藤氏

GIS活用事例として、直方市総合政策部人事課 加藤氏より、平成30年7月に西日本を襲った豪雨災害にて、実際に4つのマップ(「災害受付マップ」、「災害情報現地報告アプリ」等)を活用することにより『災害発生時から対象の要援護者支援まで』の流れを円滑に進められた内容をご説明いただきました。

また、2ヵ月後の9月6日に、北海道で起こった北海道胆振東部地震の際、同じKRIPPのGIS部会に所属する「北海道室蘭市」からの要請に応え、室蘭市から送られてくる手書きの情報をGIS上で表現することで視覚的な状況把握資料を作り出し、室蘭市での対策本部で活用された内容についてご説明いただきました。

KRIPPの部会に参加することにより、隣接していない自治体であっても、日頃から標準化された仕組み(入力フォーム)を共有していることで、災害時に協力できるという事例でした。

4.災害対応全庁型GIS基盤構築に向けて
 /兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科 浦川准教授

後半では、「災害対応全庁型GIS基盤構築に向けて」と題して、兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科 浦川准教授 により、『災害対策本部は意思決定の場ではない!』という、実際に何度となく災害現場に赴かれ災害対策本部で協力を実施された浦川氏ならではのお話を伺うことができました。

また、北海道胆振東部地震にて実践された「標準化された仕組みや入力フォームを作成し、平常時より訓練しておくべき」大切さを説明いただきました。

 

 

 

5.「地図利用による災害対応業務の効率化について」
    /北九州市病院局 医療センター事務局 塩田氏

最後は、「北九州地域で検討中の『現場で使える災害対応GIS基盤』」について、北九州市病院局 医療センター事務局 塩田氏により説明が行われ、今回勉強会に参加されている自治体で実際に使用している『地図を利用した業務の洗い出し』を行い、発表しました。

【G-motty Blog(ジモッティブログ)】 活動報告 2018年10月3日

こんにちは。

先日、2018年10月3日(水)にアクロス福岡で行われました、ESRIジャパン株式会社主催の「自治体・教育機関向けGIS活用セミナー2018(in 福岡)」に参加してまいりました。

このイベントは、地方公共団体の職員、教育関係(大学・高校等)の職員を対象としたイベントで、「社会科学研究におけるGIS活用事例」として福岡大学 経済学部 原田准教授による事例発表や、一般社団法人G-mottyに参加している福岡県直方市 加藤氏による「直方市における通常業務、災害業務でのGIS活用方法の紹介について」などの事例発表が行われました。

私たちも「G-mottyが提供するサービスと平成30年7月豪雨を受けて構築を目ざす」と題して、2018年1月に新たに設立した「一般社団法人 G-motty」としての提供サービスなども踏まえ、活動報告のお時間をいただきました。

また、平成30年7月豪雨を受けた各自治体の状況などを踏まえ、今後北九州地域で目指している「現場が考える!災害対応GIS」について、ワークショップを実施しました。

当日の発表内容などは、後日G-motty「資料ダウンロード」へアップ予定です。

 

【G-motty Blog(ジモッティブログ)】キタキュウのビール好きは良い人ばかり(第12回)「門司港地ビール工房 その2 」

第12回目も北九州市で唯一のビール醸造所を併設したビアレストラン「門司港地ビール工房」をご紹介します。門司港地ビール工房では本場ドイツビールに負けない美味しいビールを提供しています。レギュラービールはヴァイツェン、ペールエール、ピルスナー、アンバーラガー(門司港驛ビール)です。季節限定ビールはフェイスブックやインスタグラムなどで紹介していますので、チェックしてみてはいかがでしょうか。

レギュラービールは4種類。季節限定ビールもあります。

「ビール大国ドイツ」 気風の異なる南部と北部ドイツ

ドイツ純粋令の「ビールには大麦、ホップ、水以外の材料を使ってはならない」との鉄則を頑なに遵守し品質を重んじる伝統的なビールは、日本ではなじみが深いビールです。
ドイツ北部はライトでホップが強めのビールですが、南部は味・色ともに濃くモルトが強めのビールが特徴的です。ベルリン、ハンブルグなどの北部では、ピルスナー発祥の地であるチェコの影響を受けたジャーマンピルスナーが好まれます。特徴は「キレ」のあるビールです。発酵度を高めて残糖を低下させホップ量を比較的多めに添加するので「ドライの苦味のきいた」辛口ビールです。これに対して、ドイツ南部のミュンヘンビールは色の濃い芳醇でやや甘みのある旨味を特徴としているビールです。特に「ボック」スタイルは、濃厚でアルコールの強いコクのあるラガービールとして有名です。北ドイツのアインベックが発祥の地で、アインベックが訛ってアインボックに変わり、さらに短縮されて「ボック(Bock)」と呼ばれるようになったと言われます。しかし、ボックには雄ヤギという意味もあるため「ヤギのキックのように強い」が語源という説もあり、ボックのラベルには雄ヤギが描かれることが多いようです。

「ビール世界史紀行」ビール通のための15章  村上 満箸 引用
知識ゼロからのビール入門   藤原ヒロユキ著   引用

暖かい日に海を眺めながらのビールは、至福の時間です。
3階フロアでは、関門海峡が見渡せます。

ドイツの上面発酵ビール

ドイツのミュンヘンは下面発酵ビールの発祥の地です。ドイツビールはラガービールだけと思われがちですが、ドイツにも上面発酵ビールはあります。スタイルをいくつかご紹介いたします。
ライン河のほとりの街、デュッセルドルフのアルトシュタットにはアルトビールがあります。アルト(=古い)という名称は英国の伝統的な上面発酵方式で醸造された本格的なビールという意味で、色は赤味のある銅色で麦芽由来の甘みはやわらかい味です。
ドイツのケルン市にはケルシュビールがあります。上面発酵のビールですが通常の上面発酵よりも低温で発酵され、さわやかな香りとすっきりした飲み口が特徴です。実は、ケルシュビールはケルンの醸造所で造られたビールにしか許されていない呼称です。門司港地ビール工房の今夏限定ビールのサマーエールはケルシュ製法に似せて造ったすっきりとしたビールです。
バンベルグが発祥とされる「ラオホビール」は「燻製ビール」という意味で、15世紀ごろに生まれたビールです。緑の麦芽をブナで燻煙させ、上面発酵と下面発酵の「ラオホ」があります。スモーキーでパンチの効いたビールです。
バイエルン州を中心としたドイツ南部で好まれるビールは、原料に少なくとも50%の小麦麦芽を使用した上面発酵ビール「ヴァイツェン」は「ヴァイス」(ドイツ語で「白い」を意味する)とも呼ばれます。

「ビール入門」小田良司著
「ビール語辞典」 リース恵実箸  参考

 

門司港地ビール醸造所の職人の方々

門司港地ビール工房のビール職人さんは3人います。ビール醸造職人2年目の宮崎勝也さんは、大学時代毎年琵琶湖で開催される鳥人間コンテストに出場するほど飛行機づくりに夢中でした。卒業後は大手製造業の技術者として就職し、海外ビールをじっくりと堪能する楽しみ方を知って、ビールに対する考え方が変わりました。元来モノを造ることが大好きだったので、次第にビールを造りたいという思いが強くなり、ビール職人に転職されました。工場長の峯松さんや福永さんの下で日々勉強中だそうで、今はビール造りの基本的事項を体得するだけで精いっぱいだと言われていました。

ビール醸造職人の宮崎勝也さん

金子俊博さんは、4年前に門司港地ビールのオーナーに誘われ、現在は門司港地ビール工房の副支配人として従事されています。ビール職人が醸造した門司港地ビールに合うようなフードづくりとアイディアを常に考えています。時折、金子さんはピザ職人さんの恰好をしてピザを焼いています。実は、門司港地ビール工房のほとんどの職員が美味しい手作りピザを作ることができるそうです。驚きです。

ビール酵母で発酵させたピザ生地
門司港地ビール(ヴァイツェン)で煮込んだ焼きカレー

ホール担当の河野正志さんは、もとはフランス料理店のシェフでしたが、門司港地ビール工房のピザ製法を学びたくて現在に至っているようです。門司港地ビール工房のピザはビール酵母で発酵させたピザ生地で、焼きカレーはヴァイツェンビールでじっくり煮込んだカレーです。だから、ビールに相性がピッタリあう料理なのがうなずけます。その他、門司港地ビール工房で提供する料理はどれもビールによく合うものばかりで、ビールとのマリアージュを楽しんでほしいという思いだそうです。

左から水尾治さん、金子俊博さん、河野正志さん

美味しいビールを飲みましょう。

M.mieko

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【G-motty Blog(ジモッティブログ)】キタキュウのビール好きは良い人ばかり(第11回)「門司港地ビール工房 その1 」

第11回目の今回は、北九州市で唯一ビール醸造所を併設したビアレストラン「門司港地ビール工房をご紹介いたします。JR門司港駅からレトロ方面へ歩いて7~10分ほど、ブルーウイング門司橋の近くにあります。

〒801-0853 福岡県北九州市門司区東港町6-9  TEL093-321-6885

門司港地ビール工房は、オーナーが米国タコマ市の港の見える街角で、初めて口にした地ビールの味に感動し、「レトロの香る地元で、行き交う船を眺めながらおいしい地ビールを飲みたい」と思ったことをきっかけに生まれたお店です。

門司港地ビール工房の1階から2階の醸造設備が見えます。

お店の1Fはジンギスカン専門レストラン、2階はビール醸造施設、3Fは展望レストランです。お店で飲めるビールはいつでも新鮮で正統派ビールが楽しめます。ヴァイツェン、ペールエール、ピルスナー、アンバーラガー(門司港驛ビール)がレギュラーで提供されています。期間限定で、ヴァイツェンストロング、チョコブラウン、サマーヴァイツェンなど限定ビールが提供されています。

1階のレジではビールやグッズが販売され、ビールのテイクアウトも可能です。

ドイツ発祥のビールとは

ドイツには約1300もの醸造所があり、地域性豊かなビールが造られています。ラガービールとは、下面発酵ビールの総称で15世紀のドイツで誕生しました。秋に仕込み春まで貯蔵したことから、「貯蔵」を意味するラガーと呼ばれるようになりました。

アンバーラガー(門司港驛ビール)

ドイツのビール造りは、1516年にバイエルン公ヴィルヘルム4世が公布したビール純粋令を順守しており、今も変わらぬ醸造が続けられています。「ビールの原料は大麦とホップと水のみ」という法律で世界最古の食品条例です。不正なビール造りを取り締まるため、また小麦やライ麦をビールに使わないことでパン作りを守るために導入されました。この中に「酵母」が含まれていないのが気になりますね。(実は「酵母」が一体何なのか、正体がわかるのは後になり、その後純粋令に酵母が追加されます。)
バイエルン地方では例外として貴族たちが小麦をビールに使うことが許され、上面発酵ビールのヴァイツェンが19世紀まで独占的に醸造されていました。ヴァイツェンが「貴族のビール」とよばれるのはこのことに由来しています。
現在では制限があるもののドイツでも多くの副原料が認められています。しかし、ドイツ国内の多くの醸造所で品質や歴史を重んじて今でも純粋令が守られています。

「ビール語辞典」 リース惠実 箸 引用
「ビール世界史紀行 ビール通のための15章」 村上 満 箸引用

ヴァイツェンビール

世界のビール祭り「オクトーバーフェスト」

小倉勝山公園でもゴールデンウイークに開催

もともと「オクトーバーフェスト」は、収穫と新しい醸造シーズンの幕開けを祝う、バイエルンの田舎祭でした。その発祥は1810年です。今ではドイツのミュンヘンで行われるのが最も有名で、9月半ばから10月上旬まで16日間にわたって開催され、世界中の人々が押し寄せる最大級のビール祭りです。
メルツェンとは、別名「オクトーバーフェストビール」として知られるバイエルン発祥のスタイルです。3月(メルツ)に仕込み夏に飲んでいたビールで、アルコール度数は少し高めのウインナー麦芽を使った紫褐色のデラックスビールです。冬用のビールを仕込むのにビール樽をカラにしないといけません。秋までにビールをすべて飲み干すためにオクトーバーフェストが生まれたともいわれています。
門司港地ビールは、毎年開催される北九州市小倉オクトーバーフェストに参加しています。門司港地ビールもメルツェンを提供していますが、本場ドイツビールに負けない美味しいビールを是非楽しんでください。

門司港地ビール醸造職人

門司港地ビール工房には4人の醸造職人がいらっしゃいます。今回はお二人をご紹介いたします。
工場長の峯松幸之助さんは、大学時代(工学部)からビールが大好きで、ビール造りに大変興味があったそうです。大学卒業後すぐに、門司港地ビールの醸造職人になりました。その5年後の2004年、ドイツオクトーバーフェストに訪れた際、門司港地ビールはまだまだドイツビールに劣っていると痛感させられました。まずは本場ドイツビールの味に近づける事を大きな目標として、当時ドイツ製法を取り入れていた日本の醸造所(富士桜高原麦酒、ハーベストムーン、伊勢角屋麦酒、大山地ビールなど)を訪れて、習得した知識をすぐに実践してビールの改良を重ねました。2011年、東広島研究所で醸造について理論的に学んだことが目から鱗だったようです。同年、門司港地ビールはヴァイツェンで金賞を受賞し、2012年にはペールエール、2014,2015年ヴァイツェンストロングと2016年トロピカルヴァイツェンはイギリスで開催されたビールの世界大会でN0.1を受賞しました。以前から大きな課題であったビールの品質も安定し、地元北九州市が誇る正統派ビールとして県外の方々にも知られるようになりました。

ビール職人で工場長の峯松幸之助さん

今後、平成29年内に新しいビール工場が完成予定です。これまで1回のビール仕込み量は約700Lと小量醸造だったのが約1800Lへ増量されるため、「多くの人に門司港地ビールを味わって欲しい」との峯松さんの思いはさらに現実のものになります。「門司港地ビールと言えばヴァイツェン!
ですが、ヴァイツェンと門司港地ビールレストランの「ヴァイツェンで煮込んだ焼きカレー」とのペアリングもお勧めです。絶品です!
福永直也さんは醸造職人15年。職人になる前も大好きなビール関連の仕事に携わっていましたが、門司港地ビールのヴァイツェンを初めて口にした時、衝撃的な感動を覚えたそうです。その後、偶然にも門司港地ビールで醸造職人として働くことになりました。職場ではビールの衛生管理に関して特に徹底しており、ちょっとしたミスも許さない厳しい峯松さんの指導の下、自分が受けたビールの感動を多くの地元の人にも提供したいという強い思いで毎日ビールを造っているそうです。

ビール職人の福永直也さん

美味しビールを飲みましょう。

M.Mieko

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【G-motty Blog(ジモッティブログ)】キタキュウのビール好きは良い人ばかり(第10回)「ソーセージ工房河原& Misono Cafe 戸畑

第10回目は、2013年にオープンした「ソーセージ工房河原& Misono Cafeをご紹介いたします。

北九州市戸畑区南鳥旗町3-22
ソーセージ工房河原& Misono Cafe
戸畑駅北口から徒歩約4分。 営業は週4日。木・金・土・日の14:00~20:00。
ソーセージ工房河原の屋根の上には風見豚!

JR戸畑駅から若戸大橋側の西戸畑市民センター近くにあるソーセージ工房河原では、手作りソーセージやパテ・ド・カンパーニュなどを製造、販売しています。Misono Cafeも併設されており、ソフトドリンクや軽食はもちろんのこと、手作りソーセージにビールやワインも楽しめます。瓶ビールだけの提供ですが、ベルギー、ドイツ、イギリス、タイ、メキシコ、スリランカ、日本の門司港地ビールなど20種類ほどの世界のビールがあります。また、ワインやスパークリングワインも数種類あり、とてもお洒落なカフェです。

手造りソーセージはもちろんのこと、御園さんが作る洋食、デザートもあります。

店内にはピアノ、ギターなどあります。御園さんの素敵な歌声をご披露されるかも。「生」ビールにこだわるニッポン

日本では「生」か「生でない」にこだわる傾向にあります。冷凍技術が未発達だった頃、ビールを安定的に生産するには熱処理を行って殺菌し品質を保持していました。1967(昭和42)年にサントリーが精密なろ過装置を使い、熱処理をせずに酵母菌を取り除いたビールを「生」として販売しました。1979(昭和54)年に「熱処理をしないビール」が「生ビールまたはドラフトビール」と定義されたため、今ではほぼすべての大手ビールの瓶も缶も「生ビール」です。しかし、海外ではなるべく酵母が生きた状態のビールが好まれます。日本のように精密フィルターでろ過すると酵母のみならず、香味成分も除去されてしまいます。ビールの本質としては「生か否か」ではなく「美味しいかどうか」ですね。

多彩なビールの世界、ベルギービール 

九州より小さな国土のベルギーには約140か所以上の醸造所があり、800銘柄を超えるビールが造られています。イタリアや南フランスのようにブドウが豊富に取れる地方では、お酒と言えばワインでしたが、ベルギーではブドウがあまりとれませんでした。そのため、食前用の低アルコールビール、どっしりとパンチのある食中酒のビール、デザートと合わせる濃厚な食後のビールと、一晩ではとても楽しみきれないほどのバリエーションがあります。Misono Cafeでも食前から食後まで楽しめる、多彩な瓶ビールを取り揃えています。

ヨーロッパの修道院ではビールを造っている!

トラピストビールはトラピスト会の修道院で造られるビールのことで、ビールのタイプではありません。今日ではベルギーを中心に世界で11の現役トラピスト醸造所が存在します。修道院では「飲む」ことは神聖な行為とされていたので、断食期間中でもビールを飲むことは許されていました。このため濃厚で栄養価の高いビールが造られ食事代わりとされていたのです。トラピストビールはボトルに詰めるときに砂糖と酵母が加えられるので、ボトル中でも発酵され熟成が進みます。これを瓶内発酵と言い貯蔵しているうちに豊潤な香りとまろやかな味が生まれます。製造後の開栓時期によってビールの変化を味わえるのは、瓶内熟成ビールの楽しみ方の1つです。

「シメイ」は最も有名なトラピストビールで、ノートルダム・ド・スクールモン修道院が造っています。「オルヴァル」は世界でも個性的なビールの1つでオルヴァル修道院が造っています。「ロシュフォール」はサン=レミ修道院が造る、色がダークで甘みのあるビールです。

アビィ(修道院という意味)は、修道院で造られていたビールを外部の醸造所が修道院に代わって造るビールです。「レフ」はアビィビールの中でも最も有名な銘柄です。

ソーセージ職人とソプラノ歌手の御夫婦が営む素敵なお店

オーナーでソーセージ職人の河原一貴さんとMisono Cafeの店主、御園さん

ソーセージ工房河原のオーナーでソーセージ職人でもある、河原一貴さんは肉の卸業の仕事をされていました。上質な肉でソーセージを作りたいとの思いでヤギシタハムに就職され技術を勉強されました。

店内に入った所にある冷蔵ショーケース内のソーセージ、ハム、ベーコン。
どれも美味しい。

ハム・ソーセージの歴史は古く、19世紀ごろまでは各家庭で家族の分だけハムをつくるのが一般的でした。20世紀に入ると食肉生産はオートメーション化され、冷凍や冷蔵運搬技術の発達により家内工業から大量生産が可能な近代的産業へ発展しました。河原さんは19世紀ヨーロッパでのソーセージレシピを研究されています。店頭に並んでいるソーセージは、肉の純度や脂量の加減を当時のレシピ通りに再現させ手作業で造られたものです。

残念ながら河原さんは、ビールはあまり得意ではなくもっぱらワイン専門のようです。しかし、ビールとソーセージの相性は抜群なので、今後は、ベルギービールに合うソーセージ造りもイメージされているようです。

一方、Misono Cafeの店主、野見山御園さんは河原さんの奥様であり、実は本業はソプラノ歌手で、大学の声楽科を卒業後、イタリア、ドイツ、オーストリアへ訪れ、オペラの勉強をされました。今では北九州市を拠点として演奏活動をされながら、カフェの経営と両立されています。店内のピアノを弾きながら歌の練習をされ、普段の愛らしい喋り方からは想像もできないほどの大きな伸びのある声量は感動的です。記念日やお祝いなどで来店されたお客さんに、素敵な歌声をご披露されることもあるようです。

テーブル席は予約したほうが確実です。カウンター席もあります。

御園さんは「声帯に刺激物は禁物」との理由でヨーロッパ在留中お酒はあまり飲んでないそうです。帰国後、ベルギービールに出会ってその感動から、Misono Cafeではビールの担当をされています。

1stアルバム「Vocalise」

美味しいソーセージとビール、御園さんとの楽しい会話で素敵な時間を過ごしませんか。

手作りパテ・ド・カンパーニュ。

おいしいビールを飲みましょう。

(著者)M.Mieko

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【G-motty Blog(ジモッティブログ)】キタキュウのビール好きは良い人ばかり(第9回)「DAIMARU(ダイマル)」黒崎

第9回目は、黒崎の隠れ家的ビアバー「DAIMARU」(ダイマル)をご紹介いたします。

 

「DAIMARU」は黒崎駅前のふれあい通りを西方向へ入った所で、

グリンパーク三共ビル1階の階段裏の奥まったところにある1989年に開店したお店です。

北九州市八幡西区黒崎4-6-1  DAIMARU 
17:30~21:30営業

ビールはイギリスの樽生バス・ペールエール、樽生ピルスナーはアサヒ熟巽(アルコール6%)、樽生エビスプレミアムブラック、樽生ベルビュークリーク(期間限定)、瓶ビールスタウト(アサヒ)が常時飲めます。

ベルビュークリークは期間限定。開栓後2-3日で終了する。

お店は温かい色の木目を基調とした空間で厨房を取り囲むようにカウンター席があります。

厨房を取り囲むようにカウンター席がある。

英国を代表するペールエール「バス・ペールエール」

英国王室の御用達ビール;バスペールエール

バス・ペールエールは、イギリスを代表する英国王室の御用達エールビールで、赤い“三角形”とロゴの“Bass”のデザインが象徴的です。

1777年にバートン・アポン・トレントという街に設立されたBass 醸造所で造られました。

トレードマークの“赤い三角印”はイギリス初の登録商標であることも有名です。

設立から100年後には世界一大きい醸造所に成長し、世界各地に輸出されるようになりました。

明治時代の日本でもバス・ペールエールが輸入ビールのダントツ1位で、当時の国産ビールには赤い三角印のロゴをパクって使ったものもあったほどです。

苦味とフルーティーなエステル香があり、味わいはすっきりとしています。

バス・ペールエールの樽生が常時飲めるのは北九州市では「DAIMARU」のみです。

(小田良治著 「ビール入門」参考)

世界に羽ばたくスタウト

アサヒスタウト;おすすめの美味しいビール!是非飲んでください。

「強い」という意味を持つ「スタウト」とは、

7~12%程度のアルコール度数の高いビール全般を指す言葉でした。

18世紀後半、イギリスからバルト海沿岸に向けて高アルコールビールが輸出されていました。

そしてそのビールがロシア女帝エカテリーナ2世のお気に入りとなり、イギリス醸造所がロシア皇帝のウケを狙って醸造したスタイルは、インペリアル(皇帝の)・スタウトと呼ばれました。

重厚なモルト感、鮮烈なホップの苦味、気品のあるエステル香でリッチな味わいのあるビールです。

スタウトにはいくつか種類があります。

ギネスが生んだ“ドライスタウト”は甘くないビールです。

“スィートスタウト”はクリーム・スタウトとも呼ばれチョコレート香とカラメル香が際立つ甘いフルボディのビールです。

“オイスタースタウト”は、もとは牡蠣(オイスター)を食べる合間に飲むスタウトのことでしたが、今では醸造に牡蠣を使用したビールを指しています。

“オートミールスタウト”は、原料にオーツ麦を加えたスタウトです。

“フォーリンスタウト”はドライスタウトが他国で進化したもので、アルコールは比較的高め(6~8%)です。

スリランカ(旧セイロン)のライオンスタウト、日本のキリンとアサヒが造っているスタウトは世界的にも高い評価を受けています。

アサヒスタウトの瓶ビールは「DAIMARU」で常時飲めます。

(リース恵実箸 「ビール語辞典」、藤原ヒロユキ著「知識ゼロからのビール入門」参考)

本格的こだわりビールを提供する「DAIMARU」

「DAIMARU」のビールサーバーは40年前まで主流だった円筒式の氷冷サーバーを使っています。

日本初のビアホール、東京銀座ライオンで現在も使用しているサーバーと同じです。

円筒内に入っている氷は、パイプの中をビールがすごい圧力でぐるぐる回っている間に温まるのを防ぐためのものです。

パイプ内に流れるビールの勢いを制御する注ぎの技に熟練を要します。

「DAIMARU」のマスター白石裕三さんは、今は亡き、新井徳司さんを実際に訪ね独学でビールの注ぎ方を研究されました。

新井徳司さんとは東京八重洲にあったお店「灘コロンビア」(通称灘コロ)のビール注ぎの名人であり、新井さんの円筒サーバーとビールの注ぎの技術は日本一だと伝説です。

(ビール好き作家・椎名誠著「今この人が好きだ」にも新井さんのインタビューが載っています。)

白石さんによると、円筒サーバーの「洗浄」「温度調整」と、ビールの「温度」「グラス」が美味しいビールには重要です。

円筒式氷冷サーバー

「DAIMARU」で提供するエールビールの温度は、夏は7℃、冬は9℃に、ラガービールは4~5℃に調整します。

日々の天気や気温によってもビールの温度を変えるほど、常に本当のビールの香りを味わってほしいと職人の思いが伝わってきます。

日本でも希少なサーバーを愛する「DAIMARU」マスターの注ぎの技を是非見ていただきたいです。

ふんわりと泡立つビール

「DAIMARU」のワインラック、おしぼり棚、ビール看板などお店には多くの木工品であふれています。

マスターが造ったワインラック
マスターが造ったおしぼり棚

実はすべて白石さんが造ったもので、木工品造りは20代からの趣味だそうです。

どの作品も職人技が感じられます。

暖かい色の木目に囲まれながらカウンターの向こうから美味しいビール注いでくれるマスターの話も楽しいですよ。

おいしいビールを飲みましょう。

マスターとヒロミさん

(著者)Mieko.M

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【G-motty Blog(ジモッティブログ)】キタキュウのビール好きは良い人ばかり(第8回)「Irish Pub Booties(ブーティーズ)」小倉 No.2

第8回目は、前回に引き続きアイリッシュ・パブ「ブーティーズ」をご紹介いたします。

ブーティーズでは前回ご紹介したようにビールは大変充実していますが、ウイスキーも常時60種類以上提供されています。

常時60種類以上のウイスキーが提供されています。

ハイボールは世界5大産地のウイスキー(アイルランド、スコットランド、アメリカ、カナダ、日本)から選べます。

実は、ウイスキーの発祥地はアイルランド説とスコットランド説があるようにアイルランドはウイスキーにもゆかりのある土地です。

お店で提供するウイスキーのほとんどが限定モノのためお店のスタッフに尋ねてください。

レアなウイスキーに出会えるかもしれませんよ。

土、日、祝日は15時からお酒が飲めます。

ブーティーズのカウンターにあるハイチェア

アイルランド発祥「スタウト」について

第7回では「スタウト」についてお話しましたが、もう少し詳しく見てみましょう。

イギリスのビールと言えば、エールビール(エールとは、20℃前後で上面発酵するスタイル)ですが、2つの代表するエールがあります。

「ペールエール」は、イギリス南部で生まれ“色が薄く”ホップ由来のフルーツ香や苦味のある複雑な風味が特徴です。

一方、「ブラウンエール」はイギリス北部で生まれた“色が濃く”麦芽の香りと強い甘味が特徴で、この2つのエールは見た目も風味も真逆なビールです。

18世紀になり、ロンドンではペールエールとブラウンエール、そして酸味が出た古いブラウンエールの3つを混ぜたビールカクテルが爆発的な人気となりました。

リッチでしっかりとした飲みごたえのあるブレンドビールは「ポーター」と呼ばれました。

労働者階級の荷運び人(ポーター)の支持を集めたことが語源とも言われます。

「ポーター」というスタイルをもとに、アイルランドのギネス社が造った麦芽にしない大麦を焦がした「スタウト」が世界中で愛され各地に広まりました。

「スタウト」は“強い”という意味ですが、ギネスビールのスタイル「ドライスタウト」とは糖分を足さない甘くないビールのことです。

「スタウト」にはその他、色々な種類が作られています。

スタウトの種類については別の回にご紹介いたします。

(藤原ヒロユキ著 「知識ゼロからのビール入門」、リース恵美著「ビール語辞典」より引用)

英国やアイルランドでパブが人を惹きつける理由

英国やアイルランドにはどんな小さな町にも教会とパブがあるといわれています。

日本人が外食しようとすると「誰とどこに行こうか」と考えるのですが、彼らはまず、パブに行ってビールを飲んで知り合いに会って話をすることを考えます。

まるでパブに吸い寄せられるような感じで、「寄り合い」とでもいうようなフランクな様子なのです。

パブの独特のワイワイガヤガヤとした親密な感じを『クラック(Craic)』と呼びます。

パブでは、クラック(Craic)が起こせるような独特の工夫があります。

例えば立っている人と目線を合わせるためにハイチェアを置いたり、外観を一目でパブとわかるようにしたり、お客さん同士で会話が生まれるようにお店の人が空気感を作ったり・・・。

なじみのパブができると、一人でフラッと寄って、つい「ただいま」と言ってしまうような「帰ってくる場所」が英国・アイルランドのパブなのです。

(白井哲也著 「パブは愉しい。英国・アイルランドのカントリーパブを歩く。」より引用)

 

アイリッシュ・パブ「ブーティーズ」のビール博士こと田中將人さんは、

大学生時代にブーティーズのカウンターでバイトを始めましたが、大学卒業と同時にそのまま就職されました。

ベルギービールアドバイザーの資格を習得され、毎週月曜日に開栓されるゲストビール(限定樽生)の選定が楽しいと言われています。

田中さんにとってビールの魅力とは「味と香りを楽しめるもの」、田中さんが思うブーティーズの将来は「北九州市でヨーロッパ中心のビールを発信させる拠点」と楽しそうに語ってくださいました。

ブーティーズのビール博士こと田中將人さん

カウンターでいつも明るい笑顔で私たちを迎えて下さる持永由香さんは、もともとビールが飲めなかったようです。

しかし、いつの間にかブーティーズのギネスビールが大好きになり、仕事休みの日になるまでギネスビールを「我慢」しているそうです。(笑)

カウンターでいつも明るい持永由香さん

ブーティーズのスタッフ同志も大変仲が良く明るい人ばかりで、お客さんを盛り上げようという雰囲気が強く感じられます。

左はアヤさん。彼女も笑顔が素敵です。

スタッフの皆さんがそれぞれ思い描くクラック(Craic)にあふれるブーティーズで、

居心地の良い雰囲気とみんなの笑顔、そしておいしい樽生ビールを楽しみましょう。

おいしいビールを飲みましょう。

著者:Mieko. M

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【G-motty Blog(ジモッティブログ)】キタキュウのビール好きは良い人ばかり(第7回)「Irish Pub Booties(ブーティーズ)」小倉 No.1

アイリッシュ・パブ「ブーティーズ」

第7回目は、小倉京町にあるアイリッシュ・パブ「ブーティーズ」をご紹介いたします。

2002年開業、2010年2月に移転し勝山橋を魚町方面へ渡ったところに現在のお店があります。

外から見ると、内装が木目で落ち着いた感じは一見敷居が高そうに見えますが、カウンターでゆっくり自分の時間を楽しんでいる人もいれば、賑やかにグループで盛り上がっている人たちもいて、大変雰囲気の良いお店です。

rish Pub Booties  
北九州市小倉北区京町1‐2‐2 武内ビル1F.
TEL ; 093-551-6160

アイルランドを代表とする「ドライ・スタウト」GUINNESS(ギネスビール)、アイルランドの「エールビール」KILKENNY(キルケニー)、日本の「ピルスナー」EDELPILS(エーデルピルス)は樽生で常時提供されています。

アイルランドの代表的なビールKILKENNY(キルケニー)とGUINNESS(ギネス)
アーサー・ギネス氏が生み出したスタウトビール「ギネスビール」

その他、門司港地ビール・よなよなエールの樽生やベルビュークリーク(期間限定)、さらに毎週ゲストビールの樽生開栓が楽しめます。

ヨーロッパの最新ボトルビールもプレミアムビールとして常時入荷されています。

英国・アイルランドの「パブ」文化

英国・アイルランドと言えばエール(上面発酵)ビールです。

両国では古くからビールをパブで飲む習慣があり、樽から提供されるビールを飲みながら会話を楽しむ文化が根付いています。

英国・アイルランドのパブとは、日本でいう居酒屋、ファミリーレストラン、コンビニエンスストア、雑貨屋、市民公民館・・・これらがすべて一緒になった場だといわれます。

テーブル席

日本にはパブ文化がないため想像しにくいのですが、英国・アイルランドのパブには地域情報が集まり、市民が様々に使える多機能室があったり、パブが主催するイベントやスポーツチームがあったりと人々の生活の中心になっています。

・・・というのも、英国では3人に2人が習慣的にパブに行き、仕事をリタイアした人は自宅よりパブで過ごす時間のほうが長いこともあるようです。

また、お酒を飲まない人も気軽にパブを訪れるので地域交流の場所になっています。

英国の映画を見ても事件や会話の舞台はパブばかりで、パブが出てこない作品を探すほうが大変なのです。

最近では、男性向けの伝統的な「一人でふらりパブ」スタイルだけでなく、女性や子供もいる「みんなでパブ」スタイルのモダンパブも盛んになり、2極化が進んでいるようです。

(白井哲也著 「パブは愉しい。英国・アイルランドのカントリーパブを歩く。」引用)

世界中で飲まれるアイルランドの「ギネスビール」

ギネスビールは、日本の発泡酒のように「税金対策」からできたビールというのは有名なお話です。

創設者であるアーサー・ギネス氏がダブリンの工場で生み出したスタウトビールで、当時は麦芽に税金がかかったので、その対策として大麦を麦芽させずにそのまま焙煎するという手法を用い始めました。

飲み始めに軽いカラメル香があり、焦げた苦みが後口に残るホップの苦味とは違うシャープさで大人気となりました。

ギネスビールグラスに描かれているハープはアイルランドの国章、「1759」とは、ギネスビールの醸造を始めた年です。

それ以来250年以上にわたりクリーミーな泡とコクのある味わいが世界中で愛されています。

ギネスビールの独特の注ぎ方、クリーミーな泡で描いたクローバー

(藤原ヒロユキ著 「ビール入門」より引用)

 

品質の高い「ギネスビール」が飲めるお店 「ブーティーズ」

アイリッシュ・パブ「ブーティーズ」は、ギネスビール樽生の回転が非常に速い。

平日では1日15リットルの樽が2-3本、週末では4~5本入れ替えるので、いつ行っても新鮮な開栓したてのギネスビールが飲めるのです!

 

マスターの秋山雅史さんとギネスビールとの出会いは、日韓ワールドカップが開催された2002年のテレビ番組をたまたま見たことです。

マスターの秋山雅史さん

番組では、アイルランドの土地で、ギネスビールの独特の注ぎ方である、クリーミーな泡でクローバーを描く様子を放映されました。

その当時、北九州市にはギネスの樽生を取り扱っているお店がなく、実際にアイルランドのパブへギネスビールを飲みに行かれたほど魅力に惹かれた様です。

現地のアイリッシュ・パブの雰囲気をそのまま小倉で実現させようと、パブにしかない居心地のよさやアットホームな人の輪が広がる楽しさなどの再現に、マスターの思いが強く感じられるお店です。

ブーティーズシェフ歴12年の松田靖士さんは、季節感を大切に考えて地元中心の食材を使ったこだわりの料理を提供されています。

シェフの松田靖士さん

英国の国民食であり伝統料理で最も有名なフィッシュ&チップスに使用される白身魚は、ブーティーズでは関門フクを使用しています。

アヒージョやカルパッチョなどで使用されるタコは、地元の漁師さんから直接仕入れた関門タコです。

最近では若松産の潮風キャベツを使ったロールキャベツや若松産の芽子(めご)にんにくを使用した料理も登場しています。

芽子にんにくは、従来のにんにくより旨味が凝縮され、芽も根も丸ごと食べられるのに臭いがほとんど残らないそうです!

ブーティーズでは、野菜を使った料理も多く美味しい料理ばかりです。

2か月に一度の割合で季節メニューを見直しており、シェフの松田さんは「常連のお客さんも多いので、来店する楽しみを提供したい。」

「男性女性に関わらず買い物ついでに気軽に来店してほしい。」との思いを話してくださいました。

おいしいビールを飲みましょう。

(著者)Mieko. M

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【G-motty Blog(ジモッティブログ)】キタキュウのビール好きは良い人ばかり(第6回)「TAP TAP(タップタップ)」小倉

【「TAP TAP(タップタップ)」小倉】

第6回目は、小倉に初のクラフトビア バーを開店した「TAP TAP(タップタップ)」をご紹介いたします。

JR小倉駅からコレットの前を通り平和通りのモノレール駅前に「TAP TAP」の看板があります。

タップの数は6つあり常時日本のクラフトビール樽生が提供されています。

タップは6種類。主に日本のクラフトビールが繋がっている。

北九州市では「TAP TAP」のみで飲めるクラフトビールが繋がることがあり、

海外のボトルビールも三十種類以上あります。

店内は落ち着きのあるシンプルな内装です。

「TAP TAP」 15:00~営業!
北九州市小倉北区鍛冶町1-2-1 RISEBILD 2F
093-280-0056

世界に認められた日本の地ビール・クラフトビール

今、日本のクラフトブルワリー(地ビールメーカー)は250社を超え、着実に実力をつけています。

2年に一度開かれる世界最大のビア・コンペティション「ワールド・ビア・カップ」では1998年から毎回、日本の地ビールが数々の部門で受賞しています。

特に世界的に認知されているブランドとして、日本酒の老舗醸造所「木内酒造」の常陸野ネストビール(茨城県)は、1996年(平成8年)からビールの醸造を開始し、2000年(平成12年)頃から次第に評価が高まります。

ネストビールの「ホワイトエール」は、ベルギーのホワイトエールスタイルを東洋風のハーブの使い方によりアレンジしたビールで、国内コンペはもとよりワールド・ビア・カップやビア・アワーズの金賞など受賞多数です。

常陸野ネストビール。「ヒロマツ」でも売っています。

第1回目にご紹介したヒロマツ商店でも購入できます。一度お試しください!美味しいです!

「TAP TAP」のグラスには、箕面ビール(大阪)の「おさるIPA」のキャラクターが描かれています。

箕面ビールの「おさるIPA」のキャラクター。ホップの耳飾りがかわいい。

箕面ビールも世界のビールアワードやビア・コンペでの金賞~銅賞の多数の受賞歴があり、日本が誇るクラフトビールの1つです。

(日本地ビール協会会長 小田良司監修 「ビール入門」より引用)

地ビールと日本文化的アイデンティティ

最近の日本のクラフトビールで思うところは、他の国々とは違い、日本風な日本人にしか作れないビールを求めている印象が強く感じます。

日本の地ビール醸造所の4分の1程度がもともと日本酒を醸造している会社です。

清酒酵母を使うブルワリーが登場したことで、日本酒の味に似てフルーティーな軽めのビールができました。

例えば、大山Gビール(鳥取)は自家製の酒米とベルギー風の小麦ビールの酵母で「八郷(やごう)」という季節限定ビールを毎年冬に発売しています。

志賀高原ビール(長野)は自家製の酒米、美山錦を3種類のビールに使用しています。

國乃長ビール(大阪)の「貴醸ゴールド」は日本酒が実際入っているビールです。

ホップの味もよく日本酒の香りも微かにして美味しいビールで、私の大好きなビールの1つです。

さらに、副原料も日本的な香辛料を使用している点が日本人好みのビールを求めている印象を強めるところです。

副原料のリストを挙げると、

 ・ワサビ、

 ・味噌、

 ・鰹節、

 ・山椒、

 ・抹茶、

 ・ゴーヤ、

 ・さつま芋、

 ・黒豆、

 ・夏みかん、

 ・柚子、

 ・密柑、

 ・日向夏、

 ・ほうずき、

 ・梅、

 ・ヤマモモ…

まだまだ数多くあります。

どれも美味しい!と感じますが、海外の人には受け入れられないものも多いようです。

でも歴史的に日本の文化は「日本独自」を発展させてきたのですから、日本人が美味しいと思えばそれで良いと思います………。

(マーク・メリ著 「日本のクラフトビールのすべて」 引用)

気まぐれ=型にこだわらない 「TAP TAP」

店主の中村竜彦さんは、小倉南区で焼き鳥店の経営後、Bar Largo (馬借)を経てビール飲食店に入られたようです。

店主の中村竜彦さん

お客さんに日本のクラフトボトルビールを勧められビールの魅力に目覚めたようです。

ビールを提供するお店の食事はソーセージやお肉などが多いのですが、形容詞(!?)の「気まぐれ」が「TAP TAP」にはぴったりで、提供する食事は良い食材が入り次第店主の気まぐれメニューが提供されます。

日本酒や日本のクラフトビールに相性のいい大満足なものばかりです。

実は、中村さんはベルギービールアドバイザーの資格をお持ちです。

ベルギービールアドバイザー資格

ベルギーのボトルビールは常時15種類以上置いています。

店主おすすめビールはセリスホワイト、ボンヴー、シメイブルーです。

セリスホワイトのタイプは、ベルジャンホワイト。

レモンのようなフレッシュな酸味のあるフルーティーなビールです。

ボンヴーは、デュポン醸造所からお得意先へ幸福を祈って送られた特別なビールで、発売当初は「ヌーベルアン(新年)」という名前で販売されていました。

アルコールは9.5%ありますが、バランスが良く素晴らしいビールです。

シメイブルーはもともとクリスマスビールとして作られたビールで、アルコールは9%あり濃厚なボディーでスパイシーな味わいがあります。

スクールモン修道院が造っているビールで、修道院で作られるビールをトラピスト・ビールといいます。

どのビールも美味しいビールで、是非ベルギービールの奥深さを味わってください!

「TAP TAP」は、店主中村さんの口癖通り「ふわっ」と営業中です。

店主中村さんと中俣さん

一人でビールを楽しんでいても店主は暖かく見守りながら「自由」な空間を提供してくださると思います。

店主気まぐれの「酢牡蠣」 絶品!

おいしいビールを飲みましょう。

(著者)Mieko.M

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【G-motty Blog(ジモッティブログ)】キタキュウのビール好きは良い人ばかり(第5回)「Beer Cafe BRAVO!(ブラボー!)」小倉

第5回目は、前回ご紹介した「Public House BRAVO! 黒崎」の2号店「Beer Cafe BRAVO!小倉」をご紹介いたします。

【「Beer Cafe BRAVO!(ブラボー!)」小倉】

JR小倉駅からコレット左側を抜けてまっすぐ徒歩約6分の鍛冶町にあります。

ビア カフェ ブラボー (Beer cafe Bravo!)北九州市小倉北区鍛冶町1-4-11
電話;093-531-7736
16時オープン
2階 個室もあります。

タップ数は12種類あり、常時10~12種類の樽生が提供されています。

・Tap1-2は常時サッポロエーデルピルス、ギネスビールが開栓しています。

・Tap3はピルスナー(ベルギービールの「シメイ」になるかもしれません。)

・Tap4はヴァイツェン、

・Tap5にはダークビール、

・Tap6-7はペールエール/IPA、

・Tap8はフルーツビール、

・Tap9はアメリカンクラフトビール、

・Tap10はベルギービール、

・Tap11-12はゲストビール、

Tapとビールのタイプは固定ではなく変動することも多いです。

このように「ビアカフェ ブラボー!」では、偏りのない幅広いビールが楽しめます。

Tapは12 ベルギー、ドイツ、アメリカなどの樽生ビールも多い。

2016年4月17日にオープンした「ビアカフェ ブラボー!」は、写真の通り内装がとってもお洒落で、1号店とは全く違った雰囲気のお店です。

お洒落な内装 ハッピーアワー 17:00~19:00

ディスプレイされている多くのビールグラスも眺めているだけで楽しい気分になります。

香山由衣さん

ベルギービール=「ちょっとカフェで一杯」のイメージ

ビールと言えばドイツやイギリスのイメージが強いのですが、実はベルギーこそ「ビール王国」です。

九州よりやや狭い国の中で、ベルギービールの銘柄は1100種類以上。

銘柄の数だけ分類があるといわれるほど、ビールというくくりだけでバリエーションの豊富さに驚かされます。

さらに、作っているのが修道院だったり、職人肌の醸造士だったり…。

そして、ベルギーのそれぞれの土地には必ずビアカフェがあり、銘柄一つずつに専用グラスがあってグラスと味わいの関係を楽しむ独特のビール文化があります。

ベルギービールは多種多様な味だけではなく、ラベル、グラス、コースター、王冠などのデザインの美しさもフランス雑貨小物に通じるハイデザインな感じがあり、つい集めたくなるようなホビー的な魅力があります。

(三輪一記+石黒謙吾著「ベルギービール大全〈新〉」より引用)

「ピンクの象」ヒューグ醸造所「デリリュウム」のラベル

ベルギー東フランダース州にあるヒューグ醸造所のビール「デリリュウム」のラベルに描かれています。

(「デリリュウム- delirium」とは、狂乱状態、幻覚症状、精神錯乱などの意味。)

このビールを飲むと「幸せのシンボルとされているピンクの象が見える。」と言われているそうで、ベルギービールには銘柄に興味深い物語を持つものが多く、エピソードを知ればもっと深くビールを味わえるはずです。

(三輪一記+石黒謙吾著「ベルギービール大全〈新〉」より引用)

 

ビールとマリアージュ(ベルギービールと料理との相性)

ベルギーの人々の肥えた舌のこだわりは、のど越しのビールではなく食事とともに飲みたいビールを生み出してきました。

フランス語の「マリアージュ」とは「結婚」という意味ですが、主にワインとの食べ合わせなどを表現するときに使われます。

しかし、ベルギービールはお酒の中でも味わいの方向性が飛び抜けて多く、ワインの赤‐肉、白‐魚のように、ビールと料理との相性を語るときもその組み合わせは広範囲になります。

例えば、すっきりさわやかで軽いビール(ヒューガルデン・ホワイトなど)には、さっぱりパスタ、カルパッチョ・生ハムといった感じで、ビールと料理はお互いを引き出す間柄なのです。

シェフお手製のウインナー

「ビアカフェ ブラボー!」でビールとマリアージュ

「ビアカフェ ブラボー!」の吉髙信行さんはシェフ歴20年。

シェフの吉髙信行さん

実は、これまでの経緯に驚かされました。

まず、「松柏園グランド」の厨房で数年働いた後、福岡のフレンチの老舗 「メゾン ド ヨシダ」で本格フレンチを徹底的に学び、さらに東京で勉強を積まれ「銀座 季楽」で活躍されたようです。

事情により地元北九州市に戻り、オーナーの大内さんと出会ってから、食としてのビールの面白さに目覚めたようです。

ビールの魅力とは・・・?の質問に吉髙さんは、「ビールは気取らなくていろんなシチュエーションで飲めるし価格も気にしなくて求めやすいもの。」と語ってくださいました。

これからの「ビアカフェ ブラボー!」は・・・?の質問にオーナーの大内さんは、「様々なビールと吉髙さんの本格料理を楽しみながら、ビールとマリアージュを広げていくお店にしたい。」と思いを語ってくださいました。

オーナーの大内俊明さん

おいしいビールを飲みましょう。

(著者)Mieko.M

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