第8回目は、前回に引き続きアイリッシュ・パブ「ブーティーズ」をご紹介いたします。
ブーティーズでは前回ご紹介したようにビールは大変充実していますが、ウイスキーも常時60種類以上提供されています。
ハイボールは世界5大産地のウイスキー(アイルランド、スコットランド、アメリカ、カナダ、日本)から選べます。
実は、ウイスキーの発祥地はアイルランド説とスコットランド説があるようにアイルランドはウイスキーにもゆかりのある土地です。
お店で提供するウイスキーのほとんどが限定モノのためお店のスタッフに尋ねてください。
レアなウイスキーに出会えるかもしれませんよ。
土、日、祝日は15時からお酒が飲めます。
アイルランド発祥「スタウト」について
第7回では「スタウト」についてお話しましたが、もう少し詳しく見てみましょう。
イギリスのビールと言えば、エールビール(エールとは、20℃前後で上面発酵するスタイル)ですが、2つの代表するエールがあります。
「ペールエール」は、イギリス南部で生まれ“色が薄く”ホップ由来のフルーツ香や苦味のある複雑な風味が特徴です。
一方、「ブラウンエール」はイギリス北部で生まれた“色が濃く”麦芽の香りと強い甘味が特徴で、この2つのエールは見た目も風味も真逆なビールです。
18世紀になり、ロンドンではペールエールとブラウンエール、そして酸味が出た古いブラウンエールの3つを混ぜたビールカクテルが爆発的な人気となりました。
リッチでしっかりとした飲みごたえのあるブレンドビールは「ポーター」と呼ばれました。
労働者階級の荷運び人(ポーター)の支持を集めたことが語源とも言われます。
「ポーター」というスタイルをもとに、アイルランドのギネス社が造った麦芽にしない大麦を焦がした「スタウト」が世界中で愛され各地に広まりました。
「スタウト」は“強い”という意味ですが、ギネスビールのスタイル「ドライスタウト」とは糖分を足さない甘くないビールのことです。
「スタウト」にはその他、色々な種類が作られています。
スタウトの種類については別の回にご紹介いたします。
(藤原ヒロユキ著 「知識ゼロからのビール入門」、リース恵美著「ビール語辞典」より引用)
英国やアイルランドでパブが人を惹きつける理由
英国やアイルランドにはどんな小さな町にも教会とパブがあるといわれています。
日本人が外食しようとすると「誰とどこに行こうか」と考えるのですが、彼らはまず、パブに行ってビールを飲んで知り合いに会って話をすることを考えます。
まるでパブに吸い寄せられるような感じで、「寄り合い」とでもいうようなフランクな様子なのです。
パブの独特のワイワイガヤガヤとした親密な感じを『クラック(Craic)』と呼びます。
パブでは、クラック(Craic)が起こせるような独特の工夫があります。
例えば立っている人と目線を合わせるためにハイチェアを置いたり、外観を一目でパブとわかるようにしたり、お客さん同士で会話が生まれるようにお店の人が空気感を作ったり・・・。
なじみのパブができると、一人でフラッと寄って、つい「ただいま」と言ってしまうような「帰ってくる場所」が英国・アイルランドのパブなのです。
(白井哲也著 「パブは愉しい。英国・アイルランドのカントリーパブを歩く。」より引用)
アイリッシュ・パブ「ブーティーズ」のビール博士こと田中將人さんは、
大学生時代にブーティーズのカウンターでバイトを始めましたが、大学卒業と同時にそのまま就職されました。
ベルギービールアドバイザーの資格を習得され、毎週月曜日に開栓されるゲストビール(限定樽生)の選定が楽しいと言われています。
田中さんにとってビールの魅力とは「味と香りを楽しめるもの」、田中さんが思うブーティーズの将来は「北九州市でヨーロッパ中心のビールを発信させる拠点」と楽しそうに語ってくださいました。
カウンターでいつも明るい笑顔で私たちを迎えて下さる持永由香さんは、もともとビールが飲めなかったようです。
しかし、いつの間にかブーティーズのギネスビールが大好きになり、仕事休みの日になるまでギネスビールを「我慢」しているそうです。(笑)
ブーティーズのスタッフ同志も大変仲が良く明るい人ばかりで、お客さんを盛り上げようという雰囲気が強く感じられます。
スタッフの皆さんがそれぞれ思い描くクラック(Craic)にあふれるブーティーズで、
居心地の良い雰囲気とみんなの笑顔、そしておいしい樽生ビールを楽しみましょう。
おいしいビールを飲みましょう。
著者:Mieko. M
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