【G-motty Blog(ジモッティブログ)】キタキュウのビール好きは良い人ばかり(第11回)「門司港地ビール工房 その1 」

第11回目の今回は、北九州市で唯一ビール醸造所を併設したビアレストラン「門司港地ビール工房をご紹介いたします。JR門司港駅からレトロ方面へ歩いて7~10分ほど、ブルーウイング門司橋の近くにあります。

〒801-0853 福岡県北九州市門司区東港町6-9  TEL093-321-6885

門司港地ビール工房は、オーナーが米国タコマ市の港の見える街角で、初めて口にした地ビールの味に感動し、「レトロの香る地元で、行き交う船を眺めながらおいしい地ビールを飲みたい」と思ったことをきっかけに生まれたお店です。

門司港地ビール工房の1階から2階の醸造設備が見えます。

お店の1Fはジンギスカン専門レストラン、2階はビール醸造施設、3Fは展望レストランです。お店で飲めるビールはいつでも新鮮で正統派ビールが楽しめます。ヴァイツェン、ペールエール、ピルスナー、アンバーラガー(門司港驛ビール)がレギュラーで提供されています。期間限定で、ヴァイツェンストロング、チョコブラウン、サマーヴァイツェンなど限定ビールが提供されています。

1階のレジではビールやグッズが販売され、ビールのテイクアウトも可能です。

ドイツ発祥のビールとは

ドイツには約1300もの醸造所があり、地域性豊かなビールが造られています。ラガービールとは、下面発酵ビールの総称で15世紀のドイツで誕生しました。秋に仕込み春まで貯蔵したことから、「貯蔵」を意味するラガーと呼ばれるようになりました。

アンバーラガー(門司港驛ビール)

ドイツのビール造りは、1516年にバイエルン公ヴィルヘルム4世が公布したビール純粋令を順守しており、今も変わらぬ醸造が続けられています。「ビールの原料は大麦とホップと水のみ」という法律で世界最古の食品条例です。不正なビール造りを取り締まるため、また小麦やライ麦をビールに使わないことでパン作りを守るために導入されました。この中に「酵母」が含まれていないのが気になりますね。(実は「酵母」が一体何なのか、正体がわかるのは後になり、その後純粋令に酵母が追加されます。)
バイエルン地方では例外として貴族たちが小麦をビールに使うことが許され、上面発酵ビールのヴァイツェンが19世紀まで独占的に醸造されていました。ヴァイツェンが「貴族のビール」とよばれるのはこのことに由来しています。
現在では制限があるもののドイツでも多くの副原料が認められています。しかし、ドイツ国内の多くの醸造所で品質や歴史を重んじて今でも純粋令が守られています。

「ビール語辞典」 リース惠実 箸 引用
「ビール世界史紀行 ビール通のための15章」 村上 満 箸引用

ヴァイツェンビール

世界のビール祭り「オクトーバーフェスト」

小倉勝山公園でもゴールデンウイークに開催

もともと「オクトーバーフェスト」は、収穫と新しい醸造シーズンの幕開けを祝う、バイエルンの田舎祭でした。その発祥は1810年です。今ではドイツのミュンヘンで行われるのが最も有名で、9月半ばから10月上旬まで16日間にわたって開催され、世界中の人々が押し寄せる最大級のビール祭りです。
メルツェンとは、別名「オクトーバーフェストビール」として知られるバイエルン発祥のスタイルです。3月(メルツ)に仕込み夏に飲んでいたビールで、アルコール度数は少し高めのウインナー麦芽を使った紫褐色のデラックスビールです。冬用のビールを仕込むのにビール樽をカラにしないといけません。秋までにビールをすべて飲み干すためにオクトーバーフェストが生まれたともいわれています。
門司港地ビールは、毎年開催される北九州市小倉オクトーバーフェストに参加しています。門司港地ビールもメルツェンを提供していますが、本場ドイツビールに負けない美味しいビールを是非楽しんでください。

門司港地ビール醸造職人

門司港地ビール工房には4人の醸造職人がいらっしゃいます。今回はお二人をご紹介いたします。
工場長の峯松幸之助さんは、大学時代(工学部)からビールが大好きで、ビール造りに大変興味があったそうです。大学卒業後すぐに、門司港地ビールの醸造職人になりました。その5年後の2004年、ドイツオクトーバーフェストに訪れた際、門司港地ビールはまだまだドイツビールに劣っていると痛感させられました。まずは本場ドイツビールの味に近づける事を大きな目標として、当時ドイツ製法を取り入れていた日本の醸造所(富士桜高原麦酒、ハーベストムーン、伊勢角屋麦酒、大山地ビールなど)を訪れて、習得した知識をすぐに実践してビールの改良を重ねました。2011年、東広島研究所で醸造について理論的に学んだことが目から鱗だったようです。同年、門司港地ビールはヴァイツェンで金賞を受賞し、2012年にはペールエール、2014,2015年ヴァイツェンストロングと2016年トロピカルヴァイツェンはイギリスで開催されたビールの世界大会でN0.1を受賞しました。以前から大きな課題であったビールの品質も安定し、地元北九州市が誇る正統派ビールとして県外の方々にも知られるようになりました。

ビール職人で工場長の峯松幸之助さん

今後、平成29年内に新しいビール工場が完成予定です。これまで1回のビール仕込み量は約700Lと小量醸造だったのが約1800Lへ増量されるため、「多くの人に門司港地ビールを味わって欲しい」との峯松さんの思いはさらに現実のものになります。「門司港地ビールと言えばヴァイツェン!
ですが、ヴァイツェンと門司港地ビールレストランの「ヴァイツェンで煮込んだ焼きカレー」とのペアリングもお勧めです。絶品です!
福永直也さんは醸造職人15年。職人になる前も大好きなビール関連の仕事に携わっていましたが、門司港地ビールのヴァイツェンを初めて口にした時、衝撃的な感動を覚えたそうです。その後、偶然にも門司港地ビールで醸造職人として働くことになりました。職場ではビールの衛生管理に関して特に徹底しており、ちょっとしたミスも許さない厳しい峯松さんの指導の下、自分が受けたビールの感動を多くの地元の人にも提供したいという強い思いで毎日ビールを造っているそうです。

ビール職人の福永直也さん

美味しビールを飲みましょう。

M.Mieko

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