1. G-motty基盤とは
そもそもG-mottyとはいったい何でしょう?
もちろんこのWebサイト、「地域情報ポータルサイト:G-motty」ことです。
また一方で、このサイトを運営しているのは、一般社団法人「G-motty」であり、G-mottyとはこの社団法人のことでもあります。
そのほか、自治体業務を支援するGIS基盤としての「G-motty」など、G-mottyとはGISに関わるさまざま要素が組み合わさって構成されています。
つまり「G-motty」とは、自治体・民間企業・大学などが保有する情報や地域の皆さんからの投稿などを一元管理することができる「地理空間情報プラットフォーム」という基盤であり、この基盤を支えている有機的人的ネットワークそのものを指しています。
この基盤があることで、地域情報ポータルサイトや、TV、ラジオ、携帯端末、あるいは地域情報誌などにも簡単に情報を発信するとこができるのです。
大事なことは、地域の情報が「地理空間情報プラットフォーム」という基盤上で一元管理されていることだと、我々は考えています。
もちろん、一元管理といっても、すべてを同じ場所に集めるということではありません。
「G-motty」では、自治体情報は北九州市のクラウド環境で、民間の情報はそれぞれの民間企業のクラウド環境で管理されており、これらのクラウド環境を組み合わせることで一元管理を実現しています。
このように、自治体のクラウドと民間のクラウドを組み合わせたクラウド環境を、我々は「ハイブリットクラウド」と呼んでいます。
それぞれのクラウド環境で管理されている理由は、情報は発信したら終わりではなく、常に新しいものに更新される必要があり、そのためには、日ごろの業務の中で情報が更新される環境にあることがが最も効率的だからです。
また、我々が地理空間情報プラットフォーム「G-motty」を運営しているもう一つの大きな理由は、地域の防災・減災・災害対応があげられます。
災害対応において重要なことは、災害時のために、災害時だけに動く、災害時専門の仕組みやシステムではなく、日ごろから日常的に使われている仕組みやシステムが、同じ環境で同じような操作で、誰でもが扱えることが必要であり、発信先もPCや携帯(スマホ)に限らず、あらゆるメディアに向けて発信できることが重要となってきます。
そういう意味において、ハイブリットクラウド環境で、日常的な業務と結びついた情報が、一元管理されながら、さまざまなメディアに情報発信できる「地理空間情報プラットフォーム」基盤は必要不可欠なものだったのです。
一方でこのような仕組みや体制をいくら整えても、これらを継続的に自立発展的に運用していくためには、これらに関わる「人」が重要であり、従来からGISが定着・普及しなかった要因の一つに、「人」の育成・支援体制が置き去りになっていたことがあげられます。
そこで我々G-mottyでは、これらハイブリットクラウドのような物理的な基盤だけでなく、自治体や地域の中でGISが継続的に有機的に運用されていくための支援体制として、「地域GIO制度・広域勉強会・庁内ワーキング」など人的ネットワーク基盤も、G-mottyに関わる利用者・提供者・学術関係者・地域活動家など、それぞれの専門家によって整備されており、サスティナブルで自立発展的な仕組みとなるように運営をおこなっています。
2. サポート体制
◆ 地域GIO会議
GIOとは、Geographic Information officerの略で地理空間情報を取り扱う責任者のことをいいます。GIOは、欧米では組織ごとに設置されて地理空間情報に関する業務を取りまとめるなどの役割を担っていますが、日本では普及が進んでいません。
我々は、GISを共同利用している北九州市、直方市、行橋市、香春町、苅田町及び鞍手町から、それぞれ担当者を1名以上選定しています。単独組織では維持が難しいGIOを、地域で運用しよう!ということで、地域GIO会議を設置して、業務の効率化・高度化や住民サービスの向上などを図るため、年6回程度協議を行っています。行政情報としてどんな情報を発信するかなども地域GIO会議で検討しています。
また、この地域GIO会議では、GISを利活用している自治体業務をまとめた『業務カタログ』を整備しています。 GIS共同利用を行っている北九州市、直方市、行橋市、香春町、苅田町及び鞍手町で『業務カタログ』を共有して、他自治体の有効な手法を利活用できるようにしています。また、『業務カタログ』と併せてアプリケーションやDBも共同利用自治体間で共有しています。
◆ GIS広域勉強会(The meeting to learn how to use GIS for local governments)
自治体業務の効率化・高度化や住民サービスの向上に繋がるGISの利活用に関する勉強会を北九州市が中心となって周辺自治体及び福岡県内外の自治体に声かけをして年2~4回程度実施しています。
自治体ごとのGISや紙地図とは異なり、現実の世界では行政界などはなく繫がっています。 GIS広域勉強会では、周辺自治体との連携により、行政界を越えた広域での情報発信なども議論しています。