こんにちは。
先日、2018年10月4日 木曜日に北九州市内で行われました「第25回 福岡県北東部地域及びその周辺地域で活用可能なGIS導入にかかる検討勉強会(広域勉強会)」の様子についてのご報告です。
当日は、「現場が使える災害対応支援GIS基盤」をテーマに多数の自治体の方々が参加され、GIS活用事例の紹介などやワークショップなどを交えて意見交換を行いました。
1.北九州地区電子自治体推進協議会(KRIPPについて)
/北九州市情報政策課 矢野係長
KRIPPの対外的発信の場として行われている「G空間サミット(2018年度は12月20日 ミクニワールドスタジアム北九州で実施)」、「広域勉強会」、「地域GIO会議」、「庁内ワーキンググループ」などについて、北九州市情報政策課 矢野係長より、ご説明いただきました。
また、KRIPPに参加されることで、同じようにGIS導入で困っている自治体の悩みや解決方法を聞き参考に出来るメリットや、クラウドサーバの利用による経費削減、契約・入札などの事務手続きをKRIPPがまとめて行うことによる事務処理削減などについてご説明いただきました。
2.GISについて/ESRIジャパン株式会社 筒井氏
今回は、初めて「GIS(Geographic Information System:地理情報システム」という言葉を聴く方にも分かりやすいようにと、ESRIジャパン株式会社の筒井氏により、『GISと地図ソフトウェアの違い』など、分かりやすくご説明いただきました。
3.GIS活用事例の紹介/直方市総合政策部人事課情報管理係 加藤氏
GIS活用事例として、直方市総合政策部人事課 加藤氏より、平成30年7月に西日本を襲った豪雨災害にて、実際に4つのマップ(「災害受付マップ」、「災害情報現地報告アプリ」等)を活用することにより『災害発生時から対象の要援護者支援まで』の流れを円滑に進められた内容をご説明いただきました。
また、2ヵ月後の9月6日に、北海道で起こった北海道胆振東部地震の際、同じKRIPPのGIS部会に所属する「北海道室蘭市」からの要請に応え、室蘭市から送られてくる手書きの情報をGIS上で表現することで視覚的な状況把握資料を作り出し、室蘭市での対策本部で活用された内容についてご説明いただきました。
KRIPPの部会に参加することにより、隣接していない自治体であっても、日頃から標準化された仕組み(入力フォーム)を共有していることで、災害時に協力できるという事例でした。
4.災害対応全庁型GIS基盤構築に向けて
/兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科 浦川准教授
後半では、「災害対応全庁型GIS基盤構築に向けて」と題して、兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科 浦川准教授 により、『災害対策本部は意思決定の場ではない!』という、実際に何度となく災害現場に赴かれ災害対策本部で協力を実施された浦川氏ならではのお話を伺うことができました。
また、北海道胆振東部地震にて実践された「標準化された仕組みや入力フォームを作成し、平常時より訓練しておくべき」大切さを説明いただきました。
5.「地図利用による災害対応業務の効率化について」
/北九州市病院局 医療センター事務局 塩田氏
最後は、「北九州地域で検討中の『現場で使える災害対応GIS基盤』」について、北九州市病院局 医療センター事務局 塩田氏により説明が行われ、今回勉強会に参加されている自治体で実際に使用している『地図を利用した業務の洗い出し』を行い、発表しました。